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多串君と片手ブンブン振りながらそいつは走って来た。俺は多串じゃねぇ!!!と注意しておきたかったが、俺の為にわざわざ走って来てくれたんだなと思ったら頬が赤くなるのを感じた。俺はその赤みをとろうと首をブンブン横に振って何事もなかったかのように近くの甘味処の中へ入った。
空いている席を見つけると嬉しそうに走っていく万事屋。俺は不覚にも少し笑ってしまった。笑った姿を見られてしまった為何笑ってんの?って聞いてきたので別にと答えておく。万事屋は、早速パフェを注文し俺はコーヒーを注文した。待ってる間二人で戯いのない話しをして、それなりに楽しい時間を過ごした。パフェが到着しすごい勢いでがっつく万事屋。俺もコーヒーを飲む。暫くこのままときが止まればいいなとか思ってしまったが、コイツには勿論内緒だ。
そして別れの時間、俺はまだ万事屋と居たくて知らない内に万事屋の裾を掴んでいた。ハッと思い慌てて離したが、万事屋を見るとニンマリ笑っていやがった。顔の体温が上がっていくのが分かる。そんなことを思っていると突然万事屋が俺の額に触れる位のキスをしてきた。俺はますます顔が赤くなるのを感じた。俺は緊張の糸がきれたように万事屋の着物を掴んで抱きついた。万事屋はトシって分かりやすいよな♪と言ってきたのでほっとけと答えておいた。
俺は初めての恋に少し戸惑いもあったが、コイツの側にいたいと思った。万事屋も俺と同じこと考えてくれてたら幸せなんだけどな。
終わり
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