0人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ
いつも2人で過ごしたアパートの一室。
ああ、少ししか離れていなかったというのに酷く懐かしい。
彼はずっと待っていてくれた。
彼に会えなくて辛かった私を、あの方は救ってくれた。
私が今此処にいるのも、全てあの方のおかげだった。
「オ待タセ」
私は最上級の笑顔で彼に微笑んだ。
会いたかった。
会いたかった。
貴方もでしょう?
「…ひっ…」
男の顔は酷く怯えた表情で目の前の女を見つめていた。
「なんでっ…なんでお前がいるんだ…っ!!」
「お前は…」
「ナァニ?」
「死んだはずだ…っ!!!」
男の体は小刻みに震えていた。
最初のコメントを投稿しよう!