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気を失った祐希は夢を見ていた…
夢らしくない夢だ…
祐希がまだ学生の頃に家出した姉…麗奈らしき人物がたっている…
周りはモヤがかかって見えない…ただ姉らしき姿が見えるのみであった…しかしその人物も妙である…姉の姿が当時とは違う…確かに姉だと判る外見だが…成長しているのだ…
『祐希…』
妙に低い…確かに姉の声だ…
『お前もこの世界に来たんだな…』
「…って事は姉ちゃんも…?」
『…そういう事になるな』
何とも歯切れの悪い返事である…祐希はそれを気にせずに質問を続けた…
「姉ちゃんは今どこに?」
『…今はまだ会えない…まだお前には酷だからな…』
「…へ?」
姉の言葉の意図が読めないらしく…首を傾げる祐希…
『…そろそろ時間だ…じゃあな』
「姉ちゃん待ってくれ!」
徐々に薄くなる姉の姿…祐希は近付こうと足を動かすが何かに掴まれたかの様に動かない…
祐希は絶望していた…ただ姉を呼ぶ事しか出来なかった…
「姉ちゃん…姉ちゃん…!」
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