商品の到着

4/10
404人が本棚に入れています
本棚に追加
/102ページ
そこに入っていたのは、まるで人間のような男の子だった。 ケースが本当に棺桶の形だったら、死んでいると思ったに違いない。 さらりとした質感が触らなくてもわかる栗色の髪。 長いまつげ。 白い、一点の曇りもない陶器のような肌。 薄い桜色の唇。 ツンと尖った鼻先。 スラリとした体には、皺のない白いシャツと黒いズボンを纏っている。 どこを見たって、欠点がない。 どう見ても人工的な美しさなのに、それを感じさせないくらい精巧な造りだ。
/102ページ

最初のコメントを投稿しよう!