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そこに入っていたのは、まるで人間のような男の子だった。
ケースが本当に棺桶の形だったら、死んでいると思ったに違いない。
さらりとした質感が触らなくてもわかる栗色の髪。
長いまつげ。
白い、一点の曇りもない陶器のような肌。
薄い桜色の唇。
ツンと尖った鼻先。
スラリとした体には、皺のない白いシャツと黒いズボンを纏っている。
どこを見たって、欠点がない。
どう見ても人工的な美しさなのに、それを感じさせないくらい精巧な造りだ。
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