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…そのころ。
同じく試合場へ向かう一人の男がいた。
彼の名は奈良田達彦。実は先日痴漢冤罪で入れられてしまった刑務所から出てきたばかりである。
ではなぜそんな男が試合場に向かっているのか?
それはもちろん彼がそこで仕事をしているからである。
本来ならば前科持ちになってしまった時点でなかなか職に就くのが難しくなってしまうのだが、彼は友人のコネでそのプロレス場で仕事をさせてもらえていた。
元々罪は受けることになってしまったが、彼自身は真面目な働き屋であるため、旧来の友人達からは信頼があつかったのだ。
そんなたとえ冤罪を受けてもめげない男である彼は、今日も仕事をするべく出勤していた。
まさかこの日自分の運命を変えてしまう出会いをするともしれずに…
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