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「「マジ」」
ニースとクレアがはしゃいでいる姿を離れた距離から眺める者達がいた
「あの子達ってさっき『福福亭』に来てたよね?」
「そうだったか?でもあんなに喜んでるとこ悪いけど残念だったな」
「そう…………だね………」
「イルちゃんは相変わらず間が長いねぇ~!でも可愛いから許す!ゲヒヒヒヒヒ」
「まぁ運がよけりゃ死なずにすむだろ…」
「そういえば団長は今日は休みなの?」
「いや!別の仕事をしてるらしいぜ!今回の計画も俺達だけでやるように言われたじゃないか!」
「あれ?そうだっけ?」
「まぁ今回に関しては団長抜きでもなんとかなるでしょ!」
「イル………頑張る……」
「イルちゃんは間が長いねぇ~!でも可愛いから許す!…ゲヒヒヒヒヒ」
「お前はそればっかだな!じゃあ俺達も仕事の準備でもするか」
「そうだね」
そういってその場から立ち去って行った集団の総称は『サーカス』
どこの組織にもつかずに依頼があれば単純な殺しから戦争まがいの事までやっている戦闘集団なのだ
そして今回の依頼というのが『ノア』に乗船すると言われている
生物学で博士号を貰った人物
富田吾郎
その他研究関係者の殺害
そして研究サンプルの奪取
それさえクリアすれば『ノア』は沈めても構わないと依頼を請けている
そして『サーカス』の一団とは別に『ノア』を狙う集団があと二組あった
そして三組の集団は乗船するまで互いの存在に気づく事はないのである
ちょうど『サーカス』の団員が乗船手続きをしたところで
雨が降り出した
それは悲しみからくるものなのか
それとも喜びからくるものなのか
誰にも分からない
ただひとつ分かる事実は『ノア』の進路は確実に荒れ狂うと言う事だろう
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