カーニバルはいつも雨

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ところ変わって熱帯雨森 「ねぇ~ランディ?私達なんでジャングルで穴ほってるんだっけ?」 ランディと呼ばれた男は至って真面目な表情で答える 「おいおい!忘れちゃったのか?ダイヤモンドオオクワガタを探してるんだぜ!スーニャ」 スーニャと呼ばれた女性は爛々と顔を輝かせる 「わぁ~ロマンチックだね!カブトムシじゃないのに土に眠ってるなんて…あっぱれだね!」 「だろ~スーニャ!ただこれだけ探していないんだもしかしたら絶滅したのかもな」 「環境破壊だよね!酸性雨の影響だよね!」 「あ~そうさ!髪の毛も持ってかれる恐ろしい雨さ!」 「ねぇランディ?」 「なんだい?スーニャ?」 「ちょっとこれ見て…」 スーニャは自身の担いでいたかばんの中から水を取り出した時 一緒に紙がひらひらと地面に落ちた 「こ…これは…!?やったじゃないかスーニャ!ダイヤモンドオオクワガタも展示されてるじゃないか」 「わぁーーッ!これで私達の苦労も水の泡だね」 どうやら二人は展示品を見るだけで充分だったようだ 「よーしスーニャ!すぐに準備だ!ノアのチケットを買いに行くぞ」 「わぁ~楽しみだね!でもランディ?私達お金ないよ…?」 「そうだった…でも俺達は大強盗だからな!ギャングの汚いお金を盗んで皆を幸せにしてやろう~ぜ!」 スーニャはキリッとした顔で親指を突き立てる 「バッチリだね!ランディ!」 「そうだろスーニャ!かなりナイスな作戦だろ」 二人は作戦と呼んでいいのか分からない事を実行する為に熱帯雨森を抜ける 「なぁ~見てみろよスーニャ!」 「わぁ~!さっきまで居た場所だね!大洪水の大雨だね」 独特の雰囲気をもつ二人組は愉快を振り撒きながら街へと消えて行くのだった
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