ハンターの血塗られた一日

2/12
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/29ページ
1998年 ラグム郊外 「おい!聞いたか!また出たんだってよ」 「あぁ!最近は大分少なくなってきたみたいだけどな~」 「吸血鬼って言っても見た目が人間と同じだからなぁ~」 「確かに…違うって言っても牙があって夜になったら目が金色に輝くってぐらいなんだろ…誰が吸血鬼かなんてわかんねーよな」 「だよなぁ~俺は通行人とかも疑っちゃうよ!…ほらっ!あいつとか怪しくない?」 「あぁ~分かる!なんか怪しいね」 二人が話しをしている人物は確かに怪しかった 黒いコートを羽織り、黒いシルクハットを深く被り顔が見えない 少し目を離したら夜の闇に溶け込んでいきそうな程だ だが二人は、漆黒の男が隣を通り過ぎる時に気づく 漆黒の男の手袋に金色の十字架の印が刻み込まれている事に 金色の十字架はハンターの証なのだ 十字架にはランクが決められており 初級ハンターはブロンド 中級ハンターはシルバー 上級ハンターはゴールド と、分けられており ランクによって受注できる依頼が異なってくるのだ 金色の十字架を手にした者は世界でも数少なく、それゆえ人々の憧れでもあり希望でもあるのだ だが上級ハンターでも苦戦を強いられる戦いがある それが最も強力な人種ヴァンパイアである そして今、命尽きようとしているハンターがいた 「俺としたことが…ゴフッ…ハァ…ハァ…油断した…まさかあそこまでとは…」 そう呟き男は路地裏へと消えて行った
/29ページ

最初のコメントを投稿しよう!