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「ねぇクレア?私こんなでっかい船初めて見たよ」
ニースはこの日の為に新調したドレスを身に纏い驚愕している
確かに船だけ見ても仕方がないだろうと思っていたクレアも間近で見る『ノア』の大きさに驚く
「こりゃ船を見るだけでも楽しめるかもな…」
しばらく船を眺めていると乗客達が集まって来ていた
その中に周りとは違う独特の雰囲気を漂わせている集団を発見した
「オイオイ!あれマフィアとかギャングとか言う集団じゃないのか?」
ニースもクレアの見ている方向をチラッとみる
「ちょっとクレア!聞こえてたらどうすんのよ!ほらっこっち見てる!」
「?…こっちに来てるじゃない!クレアのばか!!」
まさかそんなはずはないだろ…
いや…確実にこっちに来てるな
どうしよう
ふたりが再び船の方向に目を向けてしばらく
「ほらっやっぱり違うじゃねぇか!」
「いや!こっちからこういう風に見たら…駄目だやっぱ違うか!」
マフィア風の三人組は近づいてきてああでもない!こうでもない!と言い合っている
その内のひとりがクレアに話しかける
「いやごめんネ!ちょっと人探しをしててね!あ~そうだ…コイツら見なかった?」そう言って写真を一枚見せる
クレアは内心ビビりながらも平静を装って答える
「いや…見てませんね! あの~気を悪くしないで下さいね!もしかして…マフィアです…か?」
それを聞きニースは目を丸くする
クレアに話しかけてきた二人は笑い声をあげる
もうひとりいるのだがさっきから一言も話そうとはせずにクレアとニースをじっと見ている
「あっはっは!いいねぇ~君!確認されたのなんて初めてだぜ!」
「くかかかか!確かに…確かにマフィアだが…くかかか!どうだい君…うちのファミリーに来ないか?」
「俺も賛成だがな~コイツがなぁ~」
「くかかか…忘れてた!まぁいいさ!気が向いたら連絡くれよ!」
そう言って名刺をクレアに渡し
三人組は船に向かって行った
「クレアのばか…」
ニースに小突かれてクレア達も船に向かう
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