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――ぶくぶくぶくぶく…
「…ぶはっ。」
浴槽に沈めていた顔を水中から浮上させる。
高校生にもなって、お風呂で潜水…サイズの都合上、足がはみ出ている…なんてやるのもどうかと思わなくもないが、これはアタシ、天見愛流の癖である。
「うぅ~……ぶくぼこ…」
今度は口まで沈めてぼこぼこ。酸素の供給がまだ足りてないのだ。
ちなみにこれは子供の頃に嬉しい事があったときに、お風呂でもついはしゃいでたら凄い怒られた為、アタシなりに考えた結果、潜って叫べばうるさくない、という画期的なもの。
……子供だったんだよね。
それから何か嬉しい事とかがある度に、こうしてぶくぶくぼこぼこやるのが癖になったって訳ですね。
え?今回は何があったかって?
「ぶく……」
『俺にはオマエだけだ』
――ザブンッ
(ぅうう、何だよぉー。反則だろー、それー。)
頬が緩むのを制御できない。
身体中がムズムズする。
(どーせ無自覚だろうし、深い意味なんてないんだろーな。こんなんなってんのアタシだけだろーな。)
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