風見学園・学園長

3/6
20人が本棚に入れています
本棚に追加
/27ページ
はりまお「あん、あん……」 義之「なんだよ。こら……舐めるなって……」 はりまお「あん!」 義之「ああ、ひょっとしてアレが欲しいのか…」 はりまお「あんあん」 はりまおはちょっと変わっていて、和菓子が大好物なのだ。 俺がよく和菓子をあたえているので、俺にはとりわけ良くなついている、というワケだった。 義之「わかったわかった……。やる、やるから、おとなしく座ってろ。お座り!」 はりまお「あん!」 はりまおは俺の言葉を理解したのか、まとわりつくのをやめ、お座りをした。 ちなみに、学園長に飼われていると言っても、はりまおが根城にしているのは、この学園長室だ。 時折、外でも見かけることがあるから、どこかに秘密の出入口があるのかもしれない……。 義之「今、出してやるからな……」 言いながら俺は右手に全神経を集中する。 義之「そら!」 次の瞬間、俺の掌の上にはドラ焼きが一個、乗っかっていた。 上出来だ。 義之「ほ~ら、今日はドラ焼きだぞ~」 はりまお「あん!あん!」 はりまおは大きな尻尾を振りながら、俺の手からドラ焼きをひったくるようにして、ハグハグと食べ始めた。
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!