20人が本棚に入れています
本棚に追加
/27ページ
はりまお「あん、あん……」
義之「なんだよ。こら……舐めるなって……」
はりまお「あん!」
義之「ああ、ひょっとしてアレが欲しいのか…」
はりまお「あんあん」
はりまおはちょっと変わっていて、和菓子が大好物なのだ。
俺がよく和菓子をあたえているので、俺にはとりわけ良くなついている、というワケだった。
義之「わかったわかった……。やる、やるから、おとなしく座ってろ。お座り!」
はりまお「あん!」
はりまおは俺の言葉を理解したのか、まとわりつくのをやめ、お座りをした。
ちなみに、学園長に飼われていると言っても、はりまおが根城にしているのは、この学園長室だ。
時折、外でも見かけることがあるから、どこかに秘密の出入口があるのかもしれない……。
義之「今、出してやるからな……」
言いながら俺は右手に全神経を集中する。
義之「そら!」
次の瞬間、俺の掌の上にはドラ焼きが一個、乗っかっていた。
上出来だ。
義之「ほ~ら、今日はドラ焼きだぞ~」
はりまお「あん!あん!」
はりまおは大きな尻尾を振りながら、俺の手からドラ焼きをひったくるようにして、ハグハグと食べ始めた。
最初のコメントを投稿しよう!