20人が本棚に入れています
本棚に追加
/27ページ
義之「よしよし、いい食いっぷりだ……」
実を言うと……
俺は魔法を使うことができる。
昔、ある人から教わった不思議な能力。
それは『手から和菓子を出すことができる』というものだった。
『超能力』と呼ぶにはあまりにメルヘンちっくで、『魔術』と呼ぶにはあまりにささやかな、そんな俺の"魔法"……。
何の役に立つのかと言われれば、他人の空腹をまぎらわしてやることくらいしか思いつかない。
しかも、和菓子を出すことによって、俺の中で幾分かカロリーを消費してしまうという諸刃の剣。
自分で出して自分で食べてもプラマイゼロなので、ちょっと哀しい気がしなくもない……。
はりまお「あん!」
はりまおは、そんな俺の魔法を喜んでくれる数少ない仲間のひとりだっ。
ひとりじゃなくて、1匹か……。
???「あ、来てくれたんだね……」
最初のコメントを投稿しよう!