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扉の開く音がして、中に小さな人影が入ってきた。
さくら「うにゃ~、ごめんね義之くん。ちょっと職員室に用があって……」
義之「お邪魔してます」
このどこからどう見ても少女にしか見えない女性こそ、我が風見学園の学園長・芳乃さくら〔よしのさくら〕さんなのだ。
見た目が随分可愛らしくて若い為、風見学園を初めて訪れた人はなかなか信じてくれないが、正真正銘、我が校の学園長である。
聞いた話では、博士号をいくつも持っているのだとか……。
人は見かけによらないものだ。
はりまお「あん!」
嬉しそうに鳴き声をあげると、例の犬のような生物は、嬉々としてさくらさんの頭に飛び乗った。
どうやら、さくささんの頭の上が、はりまおのベストポジションらしいのだ。
さくさ「ん?はりまお、また義之くんなお菓子貰ったの?」
はりまお「あん!!」
さくさ「今度はドラ焼き?んも~、しょーがないなぁ、ごめんね、義之くん」
義之「いえいえ、たまたま持ってたのをあげただけですから……」
さくさ「そっか。ありがと」
そう言って年齢不詳の笑顔を見せる。
前に年齢を聞いたみたことあったけど、『レディーに年齢を聞くなんて失礼だよ』ってな感じで、やんわりかわされてしまったんだよなぁ。
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