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義之「あ、そうそう……持ってきましたよ。忘れ物の書類。机の上に置きっぱでした」
俺は自宅に置きっぱなしにしてあった書類入りの大きな封筒をさくささんに手渡した。
さくら「わ~、ありがと~。これこれ、これだよ。持って出たつもりだったんだぁ。義之くん、ありがとね~」
義之「気をつけてくださいね」
さくら「うんうん、気をつける~♪」
実を言えば、俺はさくらさんの住む芳乃家にやっかいになっている。
俺とさくさは家族同然。言ってみれば、彼女は俺の保護者のような存在だった。
義之「じゃ、俺は教室に戻ります」
さくさ「え~、ゆっくりしていけばいいのに。お茶くらい出すよ~?珍しいお茶っ葉が手に入ったんだ」
義之「もう、授業が始まりますから……」
さくさ「え~、授業くらいいいじゃん」
学園長のくせにとんでもないことを言う……。
義之「ダメですよ。怒られちゃいます」
さくさ「義之くんを怒る人がいたら、ボクが怒ってあげるよ」
義之「そ、そういう問題じゃないでしょ」
さくさ「にゃはは、やっぱダメか……。じゃ、頑張って授業受けてきてね」
義之「はいはい……」
さくさ「ほらほら、はりまおをお見送りして」
はりまお「あんあん!」
さくさ「行ってらっしゃ~い!!」
義之「………………」
俺は肩をすくめると学園長室をあとにした。
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