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チャイムの音と共にぐっと伸びをする。
杉並「どうだ桜内。一緒にメシでも?」
振り返ると、杉並がいやらしい笑みを浮かべて立っていた。
義之「俺は別に構わんけど
渉はどうするよ?」
隣で突っ伏している渉に声をかける。
渉「あー、俺はパスパス。ふたりで蜜月の時間を楽しんできてくれ」
顔も上げずにひらひらと手を振る。
やる気のない態度だった。
杉並「ふむ、それではふたりきりの甘いランチへしけこむとするか」
義之「気持ち悪いこと言うな」
杏「なるほど、このカップリングはありかもね」
茜「だよね~。なんか色々といけない想像が……。ねぇ、小恋ちゃん?」
小恋「ふぇ!な、なんでわたしに聞くの!?」
茜「だって小恋ちゃん、そういうの好きじゃない」
小恋「そんなことないよ~」
杏「自分の欲求に素直になる。それが一番よ、小恋」
小恋「だ、だから~、違うってば~」
後ろの方できゃっきゃっと勝手に盛り上がってる雪月花3人娘。
ったく、なに考えてるんだか。
義之「で、どこ行くよ?学食か?購買か?」
杉並「ふふふ……まぁ、黙ってついて来い。とっておきの場所に招待しよう」
にやりと笑い、すたすたと教室を出て行く。
義之「しゃーねーな」
俺は杉並の後を追った。
義之「で、どこまで行くんだよ?」
昇降口で靴に履き替え、外に出る。
杉並「なぁに、ちょっとそこまでだ」
そのまま校門をくぐり、
桜並木を横切り、
公園を突き抜け、
道なき道を進み、
気がつけば密林の中。
密林?
ってどこだよここは?
目の前にはぽっかりと洞穴が口をあけていた。
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