prologue. scene,0

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私は生きたいのかわからない。 だけど、生きている。 正直不安。 何も出来ない自分がどうしようもなく悔しくて……大嫌いだ。 ねぇ、神様――? もしも居るなら、願いを叶えてほしい。 何度も願ったけど、叶えてもらった試しは、一度だってない。 当然と言えば当然。 だけど――。 今日の私は、少しだけ違う。 この白い、白に染まった病室で、とても苦しんでいる。 そのことは誰にも伝えず、さっきから鳴り響く、危険を示すアラームも気にしない。 もう、助けなくて良いです――。 私は決めたから。 進む先にも、退く先にも絶望しか残ってないのなら……。 だから――。 ――夢を見たい。 もう一度、見させて下さい。 ある日から見なくなった夢を。 せめて願えるなら。 大好きな、絵本の夢がいいな。 喜劇のようなハッピーエンドじゃなくても良いから。 悲劇のようなバッドエンドで良いから。 私に……。          §
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