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気がついたらそこは天国……なんてことはないようだ。
月明かりが強い夜と表現出来るここは、一応自宅だろう。
自分の部屋だからわかる――と、普通の人なら言えるのかもしれない。
だけど私の部屋は非常に殺風景。
どこか信用出来ない。
「誰か…居ませんか……?」
呟いてみる。
でも虚しく響くだけだった。
あまりにも静か過ぎると、不気味を通り越して落ち着いてしまう。
思考が冷静さを取り戻すことはないが。
……なんだろう。
少し外が気になる。
窓を開けて外を見ることにした。
「わぁ……――」
声が自然とこぼれ出る。
それはまさしく、感動と呼ぶことが出来るような声音。
景色に見取れてしまった私は、ここから逃げ出すことを諦める。
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