2人が本棚に入れています
本棚に追加
/23ページ
部屋を、家を、町を、世界を――。
茨のみが覆い尽くしている。
足場と呼べるには安全な所があまりに少なく、刺が無数に蹂躙するそこは間違いなく、眠り姫が居ると言われる茨のお城。
私は少しだけ、少しだけ嬉しくて……部屋のドアを開く。
§
人はいずれ天国へ行く。
悪い人は地獄、良い人は天国といった具合に……良い人?
まず、良い人が居るのだろうか?
良い人なんて居るのかわからない。
こんなにも腐敗した世界に良い人なんて、本当に居るというのか――。
……やはり、
私は私でしかないようだ。
§
最初のコメントを投稿しよう!