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・・・・・・・・いつまでたっても痛みがこない。
姫香はそろそろと瞳を開けた。
「名前に姫がついてんのに、胸ねえな。」
…は?
バッと後ろを振り向くと、そこには風鬼がいた。
前髪に隠されそうな瞳と眼が合う。
「お前、…貧乳だな。」
ゴスッ!!!
…目の前の野郎は痛みでプルプルしている。
…それ…コンプレックスです。
貴方が悪いんですからね。
周りの生徒は皆唖然としている。
ある者は青ざめている。
ふと、後ろから悪寒が。
・・・ギ、ギ、ギ、という効果音付きで振り向くと、ニヤリと笑った風鬼がいた。
「覚悟は出来てるみてえだな。」
次の瞬間、姫香は思考停止した。
口に何か温かいものが当たっている。
目の前には風鬼のどアップ。
そこでやっとキスされたと気付いてもいきなりの事で呆然としている。
それを良い事に風鬼は唇を離すと、首筋に顔を埋めた。
途端に、鈍い痛みが走った。
ゴズッッッッ!!!
痛みで我に返った姫香は風鬼に第二派をくらわした。
先ほどより強くしたせいで風鬼はもだえ打っている。
「っっっこの馬鹿!!!」
そう言って姫香は教室をもの凄い勢いで出て行った。
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