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「この子が……か?」
「はい。……と………なので間…いな…で…。」
「さぞ…し、…徒らは喜……ろ…な。」
ヒソヒソと言葉が聞こえる…。
モソモソと身じろぎすると姫香はのろのろと瞼を開いた。
…なんかフカフカする…ああ、あたしベッドに寝かされてるんだ…ここ…どこだろ…
「おや?どうやらお目覚めみたいだね。…おはよう。」
「おは…よう…?」
まだぼぉーっとする意識の中、声が聞こえた方に返事をしながら顔を向ける。
声を掛けたのは20代半ばに見える男性。
金髪碧眼で日本人ばなれしているような整った顔。髪は肩甲骨まであるのを1つに縛り、銀縁の眼鏡をしている。
服装は灰色ねスーツ姿。
あまりの美しさに思考停止する姫香。
…が今までの出来事を思い出し、バッ!!と上体を起こす。
「うん。思い出したから言うけど、君にはここで暮らして貰う。」
「はい!?…つ、つまり、あたしは売られたって事…?」
男性の言葉に思わず聞き返す。
「んー。…それは違うね。それでもって言うけど、君は今から私が理事長をしている学園に通って貰う。」
「が、学園?」
「そ、けれど、ちょっと変わった学園でね。…獣種族が通う学園。」
…獣種族?
「獣のように気性が荒い人達が通ってるんですか?」
「違う。まぁ見たほうが早いかな……猫峰くんを呼んで来て。」
男性が言うと、近くにいた人が一礼して部屋から消えた。
そう時間が掛からない内にドアを叩くノック音が聞こえたと同時に澄んだ声が聞こえた。
「お呼びでしょうか?理事長。」
「うん。因みにこの子が新しい獲物だよ。」
そう何だか分からない言葉を交わしていた少女が此方を向いた。
少女のその姿に息を呑んだ。
少女は茶髪に同色の瞳。髪は軽くパーマがかかって短く、肩までしかない。
ここまでは普通の少女だ…が、問題はここから。
少女の頭には猫耳と見える茶色の耳と同色の尻尾が生えていた。
。
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