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少女は姫香を見て口を開いた。
「あらあら、これはまた美味しそうな獲物ですね。」
ニッコリと少女は微笑みながら男に向かって言う。
「まあね。じゃ、君はもう教室に戻りなさい。」
「はい。失礼しました。」
2人の会話に訳も分からぬまま、いつの間にか少女は部屋を出ていた。
「…理解できたかい?」
クスリと男は笑みながら姫香に言う。
姫香はまだ理解していないような感じだ。
「…気のせいか猫耳が生えてた気がする。」
「うん。気のせいじゃないよ。あれが獣族。…君のような人間とは違う生き物。」
あ、アリエナイッス…。獣族って何さ!?
現実的にありえない!!
…と頭の中でまたもやグルグルと考え込む姫香に男は苦笑する。
「まあ、無理もないかな。…でも、これは現実だ。だから今から言う事をしっかり聞きなさい。」
男の言葉に姫香は渋々と頷いた。
「今から、君はあの獣族の生徒が通う学園に通って貰う。学園だから寮もある。…因みに君の部屋はこの部屋。ちゃんと鍵つきだから。」
そう言って一回言葉を切って、また男は話し出す。
「んでもって今から言うことよく聞いて。
君のような人間は獣族にとっては獲物でしかない。油断してるとあっといい間に喰われるよ。」
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