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「喰われる…?」
「まあ、色んな意味があるね。食うとか、身も心も奪われるか…セックスっていう意味もあるね。…ま、つまりは君はその獣族から今から一週間逃げ切ること。」
「一週間…?」
「一週間見事喰われずに生きてたら、君が背負っている借金は此方で払わせて頂く。」
「借…金…!!」
姫香は借金の言葉でハッ!とした。
そうだ…あたしは借金を返さなきゃいけないんだ。
…つまりは一週間このヘンな学園で生活して無事生き残れって意味ね。
…でも、もし喰われたら…?
「その時は借金を水の泡にする代わり、一生ここで生活さ。」
姫香の心を読んだように男は言う。
男は私に近づいてニッコリ笑った。
「さて、説明も終わったし、教室に行きますか。…言い忘れたけど、私はこの学園の理事長をしている…牙崎という。名前はあえて言わない。因みに理事長と呼ぶんだよ?」
男…牙崎の有無を言わせないような言葉に姫香はコクリと頷き立ち上がる。
「さて、君の幸運をいのるよ。」
そう言って牙崎は部屋を出るよう促す。
案内もしてくれるらしい。
姫香は歩きながら考えた。
ようするに一週間頑張ればいいのよ…頑張るんだあたし!!
頑張って逃げ切るぞ!
そう思いながら姫香は部屋をでる。
続くように牙崎も部屋をでる。
部屋にはしずかな静寂だけが残っていた。
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