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くっ…。
やばい、やばい、やばい
冷や汗がどっと体から流れる。
狼はカイを見て喜びの声を上げた。
「あ、あぁァ。」
恐怖で声が出ない。
白狼はカイに飛びかかった。
(あ~ぁ、俺の人生これで終わりかよ…。呆気ないな。)
カイはそう思った。
しかし、狼の動きが突然遅くなった。
これが、走馬灯ってやつか?
「…あれ?これなら避けれるんじゃね?」
カイは狼の攻撃をあっさり避ける。
さっきまでまったく目で追えないほどの速さだった狼の動きが、あっさり見えた。
俺は能力に目覚めたのか?
これなら…勝てる!
…訂正!逃げれる!
いろいろ疑問が残るが、後回しだ。
「くらえ!!」
ひとまず狼を怯ませるために、一度狼に殴りかかる。
…が、カイ自身のパンチまで遅く見える。
狼はあっさりと避けて、カイの喉元に食らいつこうとしてきた。
カイは慌て後ろにジャンプする。
ふわっ
「なっ…高っ!!」
カイは予想以上に高くジャンプし、6メートル程跳躍することができた。
足だけは目についてきてる!
カイは拳を封印、白狼に蹴りを放つ。
「がぅ…!カ゛!」
「当たった!」
カイは攻撃を離れて避けながら、隙を見て近づいて蹴りを放つ、ヒットアンドアウェイで狼にダメージを与えていく。
「はぁ、はぁ、はぁ。」
(どうやら速く動く分だけ早く疲れるみたいだな。)
部活に入って、体力を付けとけばよかったと、カイは思った。
だが、相手も満身創痍。
「終わりだ、うらぁ!」
白狼の頭にカイの蹴りが直撃し、なんとかノックアウトできた。
「はぁ、はぁ、はぁざまぁみやがれ。ははっ」
生きてる!
こいつは1~13レベルあるモンスターの中では 5ってとこだろう。
自衛隊 就職先に選ばなくてよかった。
今勝てただけでも、一般人からしたら奇跡だ。
グルル…。
ふいに後ろから 唸り声が聞こえた。
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