力の目覚め

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「なっ…。」 そういえば狼系は群れるんだったな。 グルル… 敵はあと二匹か…。 一匹倒して満身創痍なのに、後二匹は無理…だな。 「とりあえず、逃げる!」 後ろに向いて、カイはダッシュした。 だが、やはり早く動ける分だけ早く疲れるらしい。 疲労困憊の状態のカイはすぐ白狼に追いつかれた。 ガルァ! 「くっ!」 白狼が飛びかかってくるのを、カイはなんとか避ける。 下手に噛まれると、狂犬病になる可能性もある。 「足が…ヤバい」 もう足が限界だ。 相手が遅く見える分、カイは死がリアルに見えた。 (死にたくないな…。) …ドクン …ドクン…ドクン… ドクン…ドクン… 心臓が突然激しく高鳴り始めた。 ピタッ 狼が突然、攻撃を躊躇いだした。 ザシュ… そのとき、突然目の前の狼の内の一匹が切断された。 「大丈夫か!?」 (助かった。) 緊張感が切れたカイは、そのまま気絶した。
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