破壊の七柱

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カイと男は、人気のない島に移転した。 先ほど、いたと思われる島が見えるので さほど遠くに移動したわけではないのだろう。 「時間稼ぎかな?」 男がカイに尋ねた。 一番強いと思われる男を移転させる。 確かに、囮のようにも見えるだろう。 だが、カイは肩を竦めて首を横に振った。 「自意識過剰ですね、一対一という騎士道精神にのっとり一対一ができる場所に移動しただけですよ。」 騎士道精神の知識が全くないカイは、自信満々にそう言った。 「おっと、名乗るのを忘れていました。私の名前はベレト よろしくお願いします」 カイは男に会釈した。 「…リヒト=フリーデンと言います。階級は大将 さぁ、やりましょうか。」 リヒトはすでに剣の柄に、手をかけている。 「血の気が多い、これだから軍人は」 カイは、リヒトを見ておどけたように言った。 リヒトは地面を滑るように走りだした。 カイの近くに接近、軍刀を振るった。 バキッ カイの方天画戟に払われて、軍刀の刃が砕け散った。 力こそ正義とばかりに、カイはその剛力を奮った。
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