破壊の七柱

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「ハハハ!やはり闘いはいい、相手が正義を掲げる馬鹿だと特に愉快だ。」 カイは拳圧をリヒトに飛ばしながら言った。 「まるで、悪の典型のような男だな。」 リヒトは拳圧を弾きながら、言う。 「確かに典型的かもしれませんね、俺はしがない小悪党の一人ですから」 カイの拳が地面を割り、地面が揺れる。 「違う!お前は存在悪だ、今日を生きる者達のために倒してみせる。」 リヒトがカイに叫ぶ。 「はは、その風貌、性格、称号 まさしく 勇者だな、やってみろよ」 カイは拳と戟を振るい続ける。 リヒトは牛切丸を、カイに投げた。 カイは、方天画戟で刀を弾く。 「虎徹、菊一文字、兼定」 リヒトの腰に、三本の刀が出現した。 リヒトは、カイの近くまで接近していた。 「三連居合い斬り」 居合い斬りした瞬間に刀を投げ捨てるという動作で、三回瞬時にリヒトは居合い斬りを放った。 カイの黒鎧に、獣の爪痕のように 三本の線が走った。 このリヒトの技を侍が見たら激昂するだろう。 刀は本来 侍の命とさえ言われる。 それをリヒトは技のために投げ捨てたのだから。 しかし、カイもリヒトもそんなことは気にしない。 カイの体から 一対の翼が生えた。
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