漆黒ノ強者

15/15
121475人が本棚に入れています
本棚に追加
/1361ページ
「ちっ。」 男は後ろに飛び退くが、浅く腹を切られる。 「坊主、また会おう。」 声と共に 黒煙が辺りを包む。 煙が晴れたあとには 男の姿はすでになかった。 「まだだ、匂いで追跡できる。」 カイの嗅覚も犬並みに上がっている。 追跡は可能なはずだ。 「男の匂いが、1、2…複数ある?何でなんだ、しかもこれはシャーペンの芯の匂い。」 とりあえず 追跡は不可能なようだ、カイは地団駄を踏んだ。 「この能力はさっき目覚めたところだ、諦めるしかないのか。」 「そうなんだ。」 ふいに声が聞こえた。 「!! 誰だ!?」 カイが辺りを見回すと 一人の男が立っていた。 年齢は30代ぐらいだろうか 騒ぎを聞きつけてやってきたにしては おかしい。 戦いを見ていたようだが 落ち着きがありすぎている。 「黒い能力者も良かったけど、それと互角なんて君もやるね~」 男はゲラゲラと笑う。 「何の用なんだ?」 カイは男を不審者を見るような目で見ながら言った。 「スカウトしにきたんだ。君、悪の組織に興味はないかい?」 ここから 俺の人生は大きく変わっていくことになる。
/1361ページ

最初のコメントを投稿しよう!