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「ちっ。」
男は後ろに飛び退くが、浅く腹を切られる。
「坊主、また会おう。」
声と共に 黒煙が辺りを包む。
煙が晴れたあとには 男の姿はすでになかった。
「まだだ、匂いで追跡できる。」
カイの嗅覚も犬並みに上がっている。
追跡は可能なはずだ。
「男の匂いが、1、2…複数ある?何でなんだ、しかもこれはシャーペンの芯の匂い。」
とりあえず 追跡は不可能なようだ、カイは地団駄を踏んだ。
「この能力はさっき目覚めたところだ、諦めるしかないのか。」
「そうなんだ。」
ふいに声が聞こえた。
「!! 誰だ!?」
カイが辺りを見回すと 一人の男が立っていた。
年齢は30代ぐらいだろうか 騒ぎを聞きつけてやってきたにしては おかしい。
戦いを見ていたようだが 落ち着きがありすぎている。
「黒い能力者も良かったけど、それと互角なんて君もやるね~」
男はゲラゲラと笑う。
「何の用なんだ?」
カイは男を不審者を見るような目で見ながら言った。
「スカウトしにきたんだ。君、悪の組織に興味はないかい?」
ここから 俺の人生は大きく変わっていくことになる。
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