第二章

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「どう思います?」 「……まずはじめから順番に訊いていこうか」 荒唐無稽で馬鹿馬鹿しい話で信じられるわけがなかった。 ただちょっと面白いと思ってしまったのが悔しい。 「最初の骸骨さんのとことかはまぁ、いいよ。え、なに?市役所とかあんの?」 「はい。行く途中に郵便局とかコンビニとかもありましたよ」 「コンビニまであんのかよ……」 「セブントゥエルブです」 「セブントゥエルブ!?」 「隣にはブラザーマート、その奥にはオーソン。ちなみに反対側にはdnqnがありました」 「すごい激戦区だな!」 「向かい側にはマーク・ド・ワールドハンバーガーや干ス、ロッラソマ」 「あの世までそんなに進出してるとこあんのかよ!?」 っと、話が脱線してしまった。 「そんなことはどうでもいい。住民票や仕事やらもこの際スルーしてやる。どうして『刈一花子』で『メリーさん』になるんだ」 「だから私字がへたっぴなんです。それで刈の字が分離して……」 つまり 『刈一』→『メリー』→『メリー』 という訳らしい。 くだらねぇ…… 「市役所もよく認めたな。メリー花子て……、売れない芸人かよ」 「『人手不足だから別にいいや』って話してるのが聞こえました」 「…………」 俺は頭を抑えた。 「……それで○ウンページ見て決めたってどういうことだ」 「いやぁ、特に呪い殺したい人とかいなかったので、えへへ」 「えへへ、じゃねぇ!俺にどんだけ理不尽な死を与えるつもりだよ!」 「でもここに着いて表札を見たとき、うぷぷ、笑っちゃいましたよ」 「あ?なにが?」 「だって苗字は音なんとかって小難しいのに、ぷっ、名前は太郎って…今どきいませんよぷぷ」 「おまえには言われたくねぇよ!!」 人のこと言えねえだろ。この花子が!
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