第参章ー梅雨ノ晴

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龍弥「そういうわけ……初めまして…闇淤加美さん。」 闇淤加美「その名は冠名。 あまり好かん。 水奈月と呼べ。」 真織「それが真名ですか?」 水奈月「そうだ童子共。 で、我に何用だ?」 詠斗「もう梅雨の時期真っ只中というのに雨が一滴も降らないのがおかしいと思い、調べているんです。 アナタは何か原因を知ってますか?」 水奈月「原因…か……恐らく…それの一つは私のせいだろうな。」 詠斗「それはどういうことですか?」 水無月「私は雨……いや水をも司る者だ。 雨は勝手に降るが…私がいるとその場に必ず雨が降る。 一つの場所に留まり続けると余所の雨雲をも呼び寄せてしまう。」 霜「なら何でこんな所に留まってるのよ!?」 龍&真&詠「あっ。」 水奈月「留まってるのよ?…と言ったのか? 童子よ。」 霜「え? そう…グムッ…」 真織「いいえ違います!!」 龍弥「ならば何故此処に留まってるのですか?…と言いました!!」 詠斗「豪雨だから聞き取り辛いんです!!」 水奈月「あらそう。」 霜「何すんのよ!?」 龍弥「馬鹿!! 相手は精霊…いや神にも近い存在だ!!」※小声 真織「私達が適う存在じゃない!!」※小声 詠斗「言葉遣い誤ってご機嫌損ねたら大変な事だよ!!」※小声 龍弥「だから…」※小声 真織「だから…」※小声 詠斗「だから…」※小声 龍&真&詠「少し黙っていろ!!!!!!」※小声 霜「…は…はい…」※小声 水奈月「おい…何を話している?」 龍弥「いえ!!」 詠斗「何でもありません!!」 蓼「三人共…スゴく必死ね。」 仄「命は大事ですから…」 水奈月「あぁ、質問の答えだったな。 答えは此処に入れないからだ。」 詠斗「入れない?」 水奈月「えぇ、北都より先に入る事が出来ない。」 空「……でも、俺達は何とも無いぞ。」 詠斗「人間は問題無し。 憑人も問題無し。」 水奈月「そういえば…此処を朧車が通り過ぎるのを見かけたな。」 詠斗「妖も問題無し。」 龍弥「という事は精霊だけに効く結界か?」 真織「いえ、そうでもないみたい。」 龍弥「というと?」 真織「さっき降霊術をやってみたけど火之夜藝速男(ヒノヤギハヤヲ)を呼び出せたわよ。」  
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