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午後6時になってしまった。
辺りはすっかり暗く、空に雲がないせいか、星まで見えた。
自分は家では無く、神社へと向かっていた。
神社にはIの自転車が置いてあった。
Iがいる!ぼんやりと光る複数の箱へ導かれ、神社の裏へと周った。
しかし、この裏に来る途中にも、この裏にもIは居なかった。
神社の裏はまだぬかるんでいた。
そこにある二つの足跡。一つは大きく、一つは小さい。
そして、その足跡は途中で…一体何がどうなって…
訳が分からなくなりその場から離れ、賽銭箱の方へと周った。
賽銭箱に寄りかかると、ぼんやり光る箱と共に神社の境内を一望できた。
ふと足元を見ると赤い何かが落ちていた。
それはOの薬だった。
自分だけは知っている、この薬のことを…Oが言うには閃輝暗点という病気を持っているらしい。
片頭痛の前兆のことで、実際この赤い薬は片頭痛を和らげるものなのだそうだ。
そんな薬が何故ここに落ちているのか…賽銭でも入れようとして財布から落ちた?
いろんな考えが起きたが、やはり足跡が気になった。
Iを見つけて問い質そう。
そのIは自転車を置いたまま何処かへ行ってしまったのか、十分待ってみたが結局帰ってこなかった。
帰ろう…明日になれば学校へ来るだろう…家に帰って部屋で横になった。
Oの赤い薬を持って帰ってきてしまった。
一体Oは何処へ…そんな事を考えているうちに睡魔に襲われ、やがて知らぬ間に寝てしまった。
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