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次の朝、昨日の違和感はまだ消えず、もやもやした気持ちで登校した。
教室には珍しくKがいた。
「よう、今日はえらく早いじゃん」
「まぁね。たまにはこういうときもあるさ」
「そういえば昨日、Oから…」
思わずしゃべる所だった。
『特にKには言わないでください。』
あのメールは胡散臭かったけど、一応約束は守らなければね。
「Oから…?」
「いや、なんでもない」
「何だよ、そういうのやめようよ、I」
「ああ、忘れてくれ…」
ホームルームの時間はとっくに過ぎているのに担任が教室に来なかった。
それにOも来ていない。
何故かそれがとても嫌な予感がしてならなかった。
そんな事を思っていると息を切らせて担任が入ってきた。
「いや、悪いね。急に事件が起きて…」
この時、事件という言葉を聞いて真っ先にOの席を見ている自分に気がついた。
「実はな、Oが行方不明らしいんだ」
衝撃。昨日のメールや違和感、全てがぐるぐる回り、まるで予想したことが起こったような…
「I、昨日Oは?」
Kが問い詰めるように聞いてきた。
「いや…途中、用があるって言ってから別れて…」
そうだ、そこからOはどうしたんだろう?
ーーーーーー
ーーーー
ーー
昼休み、メールを再確認するために教室を飛び出した。
【しばらくの間、私はこの世界から去ります。君も私と同じく別の世界へ行かれることでしょう。帰ってきたら、また。】
二通目のメール。
演出にしては大きすぎる。
そして
【明日、17時半に千住にある神社に一人で来てください。】
心当たりのある神社だった。
少し前、一緒に連れてかれた神社。
箱のようなものが賽銭箱へと続いていて、暗くなるとその箱がぼんやりと光る、幻想のような神社だった。
とりあえず、この時間に千住にある神社へ…
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