『プロローグ-I-』

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放課後、すぐに神社へ行こうと席を立った俺の手をKがつかんだ。 「何…?」 「I、何か知ってるだろう」 「何のこと?」 Oの事だとすぐに分かった。 しかし、OはKに言ってはいけないといった。 何故かは知らないが、それを絶対守らなければいけない、そんな気がした。 「Oだよ。昨日何があった?」 「なんのもないよ。痛いから放してくれないか」 「今日のI変だったぞ。必ずあるはずだ」 「何故そう言える?」 「それは…」 「いいから放してくれ…俺だって本当に…」 すぐに弱音と真実を話してしまうのは昔からの悪い癖だった。 危うく話してしまう所で教室に担任が入ってきた。 「おう、いたか」 「先生、Oは?」 「ああ、あいつの自転車が千住の神社で見つかってな、そこから何処かへ行ったようなんだが…少し変でな…」 千住の神社!やっぱりそこに… 「変?」 「神社の裏、そこは一昨日降った雨の影響で土が泥のようになっていたんだ。そこにあいつの靴の足跡があってな…その足跡が、あるところで忽然と消えるんだ」 別の世界。 そんな言葉が頭に浮かんだ。 Oのメールは正しかった? 「足跡が?」 「ああ、しかももう一つ小さな靴の足跡が横に並んでいるんだ…それも同じ所で…」 小さな足跡?俺は昨日みた影を思い出した。 あいつが何か関係して?いや、あれは170cmのはず…。 ああ!何を考えているんだ。 そもそも何故あの影が出てくる!…とりあえず神社に向かおう。 急いで教室を飛び出した。 Kは追ってこなかった。
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