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《K-side》
おかしい…何もかもが…
Oの一件、そしてIの言動、全てがおかしい。
学校にはまだ誰も来ていなかった。
「Oは今日来るのだろうか」
「そろそろIが来る時間だな」
などと考えている内にぞろぞろと人が教室に入ってきた。
その中にOの姿は無い。
Iの姿も。
「Iが帰ってこない」
そう担任は言った。
Oと同じように神社で自転車が見つかっている。
昨日…Iが消えたのだ…あの場所で。
授業は退屈だった。
いや、それは心に何か引っかかるものがあり、それが邪魔をしているはずだった。
OとIに何があったのか。
「突然消えたような」そんな消え方をしたOとI。
これは世間的にいう「あり得ない」こと。
その「あり得ない」ことを起こした人物とは?
O?I?それとも第三者?…どちらにしろだ。
何故、OとIなのか。
何故、自分に話さなかったのか。
何故、自分だけが。
昼休み、立ち入り禁止の屋上へと続く階段に座って考えた。
そして自分が嫉妬に狂っていることに気がついた。
取り残されている。
自分一人だけ。
何故?Oより優れていないから?
いや、少なくともIよりは…
「くそ」
そう吐き捨てた。
嫉妬している。
何故自分じゃない。
Oが首謀者だとしても、何故Iなんだ。
Iだってそうだ。
何故、自分に話してくれなかった。
第三者がいたとしてもそうじゃないか。
何故、あいつらなんだ。
何故、自分じゃない。
何故?何故?
「それは貴方に資格がないからよ」
知らない声だった。
「貴方がKでしょ?」
黒い傘にフランス人形のような服。少女。
「誰?」
この時、自分は震えていた。
「La Verite」
「La Verite?」
「あら…貴方にはやっぱり資格がないわ」
、
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