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時が進み、ゴミを拾い続けて一時間が経つ頃にはゴミ箱にゴミが溜まる。
それでもまだ部屋に数多くのゴミが散乱している。
「もうっ!拾っても拾っても減らないじゃない!」
イライラが募る中、漁れば漁るほど、お菓子の食べかすや、衣類を纏っていた袋の残骸などが出てくる。
ゴミ袋を近くから引っ張り出してそれに入れていっても袋はすぐに溜まる。
それを繰り返せば小さいゴミ袋がどんどん積もっていくせいで、私はゴミ袋の壁に埋まっていく。
それでも尚、片付けていけば三時間が経つ頃には床が覗き込みゴミも減っていった。
「はぁ、やっと終わったわ…。このゴミ、椎哉に見られたらどやされるんだろうなぁ…」
そう考えた瞬間部屋に響き渡るノック音。扉がノックされた音にビクッと反応すればゴミ袋の壁を乗り越えて扉を開けようとすれば逆に扉が開く。
ゴンッ!と鈍い音と共に頭上から振り飾る、声に涙目で訴える。
「ったー…いっ…椎哉…!痛いわよっ!」
「なにしてんだ、よ…って麗夏、このゴミの山はなんなんだよ」
みるみる内にぴくぴくと青筋を浮かばせる椎哉の目をみれずにぎぎぎぎっと錆びたロボットのようにそっぽ向く。
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