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少女は公園へと向かっていた。痴漢通りのある公園ではなく、別の公園である。
よくよく考えてみると、相田しおりを襲った犯人は見つかっていないので、あの公園には近づかないほうが良いことに気が付いたようだ。
「お嬢さん、この辺で結構ですよ」
少女は、アルジャーノをベンチの上に下ろした。正確には、アルジャーノが入ったカバンを下ろした。
アルジャーノはカバンからゆっくりと出ると、毛繕いを始めた。
その振る舞いはとても優雅で愛らしく、少女はほうっと見入ってしまっていた。
「ところで……お嬢さんは初めこそ、私が喋ることに驚いていましたが、今や慣れたものですね」
「あっ、本当だ。普通に話してた」
「柔軟性があって大変よろしいですね」
そうだよ。私ってば、普通に話してたよ。しかも、頼っちゃってるし。
それにしても綺麗だなぁ、柔らかそうな毛とピンクの肉球がにゃんとも言えないよぉ~~。
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