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少女は少し不貞腐れながらも、アルジャーノの後に続き座ることにした。
「そういえば、また痴漢があったらしいですよ」
「えっ。また?」
「ええ。今度も被害にあったのは女子高生だそうで、確か場所は………あの公園の近くですよ」
「でも、学校で噂になったりしてないし、先生も何もいってなかったなぁ」
公園の近くとなると、通ってる子が結構いるから先生たちから連絡あってもいいもんだよね。
被害にあった女子高生はきっと、うちの学校の生徒じゃないよな。もしそうなら、恭ちゃんたちが絶対に話してるはずだもん。
少女が思案している横で、アルジャーノが呟いた。
「同一犯かもしれませんね」
少女はハッとして、アルジャーノを見た。
「その可能性は高いねっ!ところで、そうゆう情報はどこで知ったの?」
「近所の奥様方がはなしているのを小耳に挟みまして」
「へぇ~。あっ、ねぇ、アルジャーノさんは他の人や猫とかとも話したりするの?」
今日聞こうと思ってたこと忘れるところだった。話のもっていきかたも、なんだか上手いよっ!私。
「………猫や他の動物の言葉は分かりませんが、酔っぱらいと話すのは楽しかったですよ」
へぇ、他の動物の言葉分かんないんだ。自分も動物なのに。まぁ、私も同じ人間でも外人さんの言葉は分かんないけど。
「私、猫語とかあると思ってた」
「あるんじゃないですか?私は、猫語を習ったことがないので聞き取れないだけかもしれません」
ん?猫語って習うものなの?……………アルジャーノさんて、猫だよね?
え、でも猫語分かんないんでしょ。人間の言葉は分かるし、喋れるのに。
「奇妙な顔ですね、お嬢さん。眉間のシワがすごい。ぷふっ、初めて見ましたよそんな顔する人………クスッ」
少女の顔を見て、笑いだすアルジャーノ。やがて、じっくり見てタコのようだと更に笑いだした。
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