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「笑いすぎでしょうぉ~」
少女はさっきから、一人ブツブツいっては笑っているアルジャーノに抗議の声をあげた。
「さっきからタコとか、ひょっとことかぁ、聞こえてるんだからね」
「これは失礼失礼。いやぁ、久々ですよこんなに笑ったのは」
「それは、ようございましたねっ!」
もう!!そんなに可笑しかったの?私の顔。へこむわぁ。
「まぁまぁ、そんなに怒らないで。ね?」
アルジャーノは、大きな瞳をうるうるさせて少女を見つめた。まさにその姿は、いつぞやの金貸しチワワのよう。
おまけに、前足をちょこんと少女の膝のうえに乗せるオプションつき。
「………」
「お嬢さん?」
「………」
「お嬢さん、血が」
少女の鼻からは、一筋の赤い液体が滴っていた。至極の幸福を得たような顔をしながら。
アルジャーノは、少女の顔に頬を引きつらせながら声をかけた。
「お嬢さん、鼻血をふきましょうか」
嗚呼………なんて可愛いの。この前よりも浅いブルーの瞳がこぼれ落ちそうなほどに開かれて、私を見つめている。
ちょっと頼りなさそうな、表情が母性本能を鷲掴むぅ~~
そして、ちょっといじめてみたくなる。
加えてこれは何ですか??足が、アルジャーノさんの白くて華奢で美しいお御足がぁぁあああ!!私の膝にぃ~~。
嗚呼、プニプニしてらっしゃるんでしょうね。その足の裏の秘密の肉球は、スカートの丈があと少し短ければ…………。
サイッコー!!!
少女の脳内はまるで台風がきたかのように、乱れていた。もちろん、至福の感情で、である。
「アルジャーノさん、犯罪級に可愛いです」
少女は、ボタボタと垂れる鼻血を手で押さえながら、片方の手でグーサインを出した。
「鼻血を拭いて、早くその気味の悪い顔をやめないと、私の爪で整形手術を施しますよ」
「………はい、只今」
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