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アルジャーノは怪訝そうに訪ねてきた。三角の白い耳が少し後ろを向いている。
「アルジャーノさん昨日、ここの道で人が襲われたんです。私が通るのをやめた後すぐに通ったみたいなんですけど」
少女はアルジャーノと目線を合わせるようにベンチの前にしゃがんだ。
「お嬢さんが無事でなによりですね」
「うん、その節はありがとうございました………って、それはそうなんだけど……………」
「なんです? 」
「何で危ないって分かったの?何で私に教えてくれたの? 」
「そうですね………、分かった理由は匂ったから、それから、教えたのはたまたま通りかかったら女性の方だったので」
「はぁ、えっ、じゃあ男だったら素通りしてたの? 」
「ええ」
女で良かった……、ってそうじゃない。相田さんのことは、可哀想って思う。
でも正直、助けてもらって良かったって思ってる。
う~ん、どうしたいんだろう。
「お嬢さん? 」
黙っている少女にアルジャーノが呼び掛けた。小首をかしげるその姿は、とても愛らしく見えた。
かっ、かわいい!!
目が綺麗~~~。
「お嬢さん?私の顔に何か? 」
「い、いえ。なんだか、頭の中がぐちゃぐちゃしちゃって」
「とりあえず、隣にどうぞ」
「はい、しっ失礼します」
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