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スパゲティを食べながら 2人はたわいもない話しに盛り上がった。二時間いただろぅか?
「帰ろっかぁ」
光が先に席を立ち 会計を済ませた。
「おごるよ」
「いーんですかぁ?ご馳走様です」
藤はいつもの甘ったるい声で言った。
2人はまた光の車に乗った。
「ねぇ~ 家に寄ってかない?」光が言った。
藤はドキッとした。しかしすぐに藤の心は「ヤッター」と喜びに変わった。
光の車は自分の家にと向かった。
光の部屋は二階。階段を上がりドアを開け 電気をつけると…電気の灯りは さっきのお店の灯りより暗く でも何ともいえない癒される明るさである。部屋の中は藤の目をパチクリさせられる 訳の分からないオブジェが沢山ある。「なにこれ?」と思っていると 奥の本棚には 本がビッシリ!棚に入りきれずに 床にも山積みになっている。不思議な部屋に 藤の好奇心が駆り立てられる。
「ちょっとこの部屋 ステキ過ぎる〰💕」
藤は思わず言葉をこぼしてしまった。
ソファーに2人並んで座った。静かで柔らかな光の部屋の中に光の大好きな ビートルズの音楽が流れている。藤はあまりの心地よさに 隣の光の肩に寄りかかる。藤の頭からは 今は夫の事も子供の事も消えて 1人の女性となっている。心地よいところに 光がキスをしてきた。ふんわりと 優しいキス。現実から遠のいて行くような…。藤と光は顔を見合わせ にっこり微笑んだ。
キスの続きを期待した藤だが…光はさすが 大人だった。キスの先を期待した藤はちょっとガッカリした。
初めてのデートは 藤にとって忘れかけていた 恋 と言う気持ちを思い出させてくれた。
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