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「よう、終わったのか。」
そんな朱雀の背中に声をかけたのは、またまた雪原に目立つ男だった。
ハデな檸檬色の髪はツンツンとした短髪。歳は朱雀よりか少し下くらい、彼よりも背が高く‥体格もガッシリしてる。否、朱雀は男にしては華奢だ。朱雀のように中性的ではないが‥端正な顔立ちをしている。だがコチラの方が目つきが悪い。
眉間に少しシワを寄せてしまうのは彼の職業上のクセである。ギラギラと鋭い光を宿した瞳の色は深紅だった。
着ている服は、この時代には珍しい服装だ。軍服にも似たデザインの、黒と赤をベースにされたロングコート。漆黒のブーツがジャリッ、と柔らかな雪を踏み‥腰に差された剣の柄に小さな雪が落ちる。
全てが漆黒の剣は刀身が長く、十字架の形を模しているデザインだ。纏っている深紅のオーラで雪が消滅してしまった。
青年の名は一破(いちは)。朱雀と同じ東洋人に見えるが、彼は魔界の処刑人である。
「‥貴方ですか、一破。ええ、今‥終わりましたよ。」
「‥‥大丈夫かよ、お前。」
力なく答える朱雀に‥一破は思わず、心配そうな表情を浮かべてしまう。
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