主人公

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名前は那由多百々、享年は16歳。 自分のことだが、他人事みたいなどうでも良さに、ちょっと笑った。 死人は喋らない。 だから、飛び降りた理由なんて、自分以外誰にもわからない。 ……いろいろ気にくわないから飛び降りるつもり。 何が気にくわないのかと聞かれたら、学園が気にくわないとかそういう咄嗟に頭に浮かんだ言葉で切り抜ければいいと思えるんだ。 聞く奴はいないだろうけど。 生まれたときから、幸か不幸か能力者をやっているけどその生活も終わる。 ええい、面倒! 要するに、死ねたらそれでいい、よかった。 ……というわけでさよなら。 なんか、滅茶苦茶だな。 こんな終わり方で満足しとこう。 ずいぶん妥協した十代の人間の終わり方。
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