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「お前みたいな生徒好きだなー」
死ねと言われたことをもろともせずに、笑顔の納谷は言った。
「は?」
「お前は、いろんな事に必死に足掻いているわけさ、嫌いになれないむしろ人間的に好きだ」
いってる意味を理解するのに、かなり時間を要するだろう。別にその思考から逃げてる訳じゃない。
ここで俺が頬でも染めれば一気にラブコメになるんだろうが、そこまで甘くない。
「そうか、お前の胸はDなのか」
「セクハラかよ!!」
「少し揉ませろ、本当はもう少し小さい方が良いんだが」
にやけながら手を伸ばしてくる納谷、こいつは何がしたいんだ。
「納谷」
納谷の手をつかみ、爪を立ててつねる。
「なんだ、告白か?」
笑みが消えやけに真剣な目で俺を見つめてくる、
「おまえが女子の胸のサイズ読んでましたそして揉んでました、ってチクったらどうなるだろうか。偉い奴に」
そして、さーっと青ざめていく。
「まずいだろうな……うん」
よし、お前のその表情が見たかった。今の俺は勝ち誇ったような笑みを浮かべているかもしれない。
「このガキ、あまり大人をからかうんじゃねぇ!」
こういった絡みを続けるか迷ったが、俺は保健室からでることにした。
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