東から来た男

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ラオリキヤはタルフォシス大陸 世界地図においては中央に置かれるこの大大陸は、大きく四つに区分される まずは大陸のほぼ中央に線を引いて北の地域は、その大部分が大国ビブリオリア帝国の領土である そしてその南東。天険の地ロカジール山脈を挟んで大陸東部にはアレンバル王国が存在する アーレス・アレンバレルト騎士聖王を始祖とするこの国は、すでに神話と化した古代の時代から続く由緒ある地であった 大陸中央部には魔法大国と謳われるウェスタリンデ国 かつてはビブリオリアに比肩する大領土を保有していたのだが、古代の時代に一度国は滅び、再び復活したのだ そして、南部 大陸の南地域は小国や部族の集落が点在する砂漠の混在地帯である 商業も盛んで交流も多いために絶え間なく旅人が行き来していた 今回の舞台はそんな南部の一国家 東の海に接した領土を持つ南部商業連合に所属するペレーフェ王国 その海岸になんとも珍しいものが流れ着いたことから物語は始まる ─── 澄み渡る青空と同じく透き通った美しい海 不思議なもので、国や場所が違えば空や海もこんなに色合いを変えるのか 目の前に広がるのは海斗の故郷とはまるで違う世界だ 「本当に来ちゃったんだなァ……」 そんな景色を見て、海斗は思わずしみじみと呟いてしまった 何故ならばここは海斗の故郷から遠く離れた異国の地であり、ここに至るまでの経緯を思い返すと自然と遠い目になってしまうのだ
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