てるてる坊主

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 雨は強く吹き付ける。その中、傘もささずに歩く少女。  『・・あなたですか?てるてる坊主は?』 いつの間にか少女の後ろには一人の女が居た。 『・・・』 少女は答えない。 『情報が蜂より少ないので探すのが大変でした。自殺屋。』 すると少女が口を開く。 『・・ハチ?』 『えぇ。今我々の世界で有名な殺し屋。蜂というなの殺し屋です。』 『・・・』 『あなたに依頼が来ています。』 『お受けできません』 『なぜですか?』 『・・・』 私は・・もう人を・・ 『殺す人があなたのお母様の仇だとしても?』 『!!』 少女は目を見開いて後ろを向いた。 『気になるでしょう?』 『・・・・』 2人は喫茶店に入った。しかし少女は喋ろうとしなかった。 『あなたのお母様を殺した組織。その中のうちの1人。内村双助という男を、自殺屋のあなたに殺してほしい』 少女はそうですか。と言って窓の外をぼーっと眺めていた。 『この男・・組織の中でも上のほうで、あなたのお母様を殺した主犯よ?』 『・・信じられません。今までそうやって依頼を受けさせられましたから・・・』 『・・じゃあこのテープを聞いて。』 『?』 『また明日。この喫茶店に16時に。いい返事を待っているわてるてる坊主さん。』 『・・』 女は去っていった。  今まで・・いろんな人を殺したけど・・結局どいつも母さんの仇じゃなかった・・・。きっと仇討ちなんて、できない。あの女の言うことも信用できない。 --このテープを聞いて・・ 女の言葉が頭を過ぎる。 『・・・』 なにが入っているんだろう・・。内村双助という男が・・母さんを殺したという証拠・・?でもテープで・・?  少女はテープを手に取った。そしてテープを持ったまま雨が降っている外へ出た。
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