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『あいつには家族の為に働くという意思がありました』
『・・えぇそうね。』
『そこを利用しました』
手紙にはあんたが好き勝手に動いているせいで家族が人質に取られていると書いておきました。そして奥さんのほうがあなたが何か奥さんに話たのではないかと考え、奥さんを拷問するとも書き足しておきました。
『ひどい女だねぇ・・』
少女は続けた。
私はこれからあなたの組織に入って下で働くとも言ってあったので簡単に信じました。私があいつが殺した母の仇だとも言ったのに・・。馬鹿ですね。
『あなたの組織の拷問のしかたはすごいですからねぇ。』
少女はわらった。
『えぇ』
あいつは発狂してたよ。どうしたらいい?助けてくれ!って叫んでた。だからこういった。自殺しろって。自害なら許して貰えるんじゃないですか?ってアイデアとして。そして遺書を書かせるために、自分の筆跡じゃないと疑われますよ?って。そしたら家族に謝罪をずっとしてましたよ。
『あいつは最後の最期まで・・母さんに謝罪しなかった・・』
あ 写真。と言って少女は女に写真を渡した。
そこには泣きながら首を吊ってる男が写っていた。
『ね?』
『?』
『てるてる坊主みたいでしょ?』
女は寒気がした。確かに首を吊っている男の姿はてるてる坊主にも見えた。
『てるてる坊主が私とあなたの明日を晴らしてくれたんですよ?』
少女は女に笑いかけた。
『・・・』
女は苦笑いした。とても寒気がする。あの少女の無邪気な笑顔。罪悪感とかはないのだろうか。笑顔が綺麗すぎる。その笑顔からは恐ろしさしか感じない・・。
『恐ろしい子・・てるてる坊主・・・。』
『・・はい。』
少女はまたニッコリ笑った。
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