蜂-ハチ-2

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 ピリリリリリリリ… 『!』 桃の携帯がなった。これはほとんど俺への依頼を意味している。桃の携帯は所かまわずなるからな…。 『どんな依頼だ?』 『いつもどおりよ。』 殺しだ。 ピピピ… 今度は俺の携帯がなった。 『メールか…』 授業中にも関わらず、携帯を開く。俺の携帯がなる時も大概は依頼だ。 『!』 俺は驚いて、目を見開いてしまった。 『どうしたの?』 『…っしゃあぁぁぁあ!!』 授業中なのに大声をあげて喜んでしまった。 『どうしたの?』 蜂が喜びなんて…よほどの事なんだ…。  クラスの人も驚きながらも聞く。  するとクラスの中の男子の数名が、 『…お前・・まさか!』 一斉に蜂のほうを見た。 『予想通りだお前ら!あの女子菊乃学園との合コンが決定したぜ!!』 『はあ?』 『まじか?!やったな田中!!』 『よっしゃあ!テンション上がってきたぁ!!』 クラスの男子が盛り上がる。 『行けるのは俺含めて6人なー!!今からじゃんけん大会だぁあ!!』  ゴンッ 蜂の頭にゲンコツが入った。 『・・授業妨害だなぁ田中・・。』 『中川ちゃん…いたいんだけど…。』 中川菊(26)数学の教師だ。女だが、柔道を習っていたらしい。 『他の男共も、たかが合コンで騒がないの!』 『合コンは俺らの青春の第一歩だぜ?』 クラスの男子が大反論。このクラスの男子の8割は一度も彼女ができたことがない。 『今は授業!!』 そういって中川ちゃんは授業を再開した。 『ちぇっ。』 『あんた…合コン何時から?』 『今日7時。二次会は9時半から。』 『諦めな』 『なんで桃までぇぇ!』 『依頼。今回時間制限がある。9時まで。』 『!!最悪~!』 俺の青春はくずれた。
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