蜂-ハチ-2

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 速くも放課後。合コンに行けなくなり、不機嫌になりながら帰った。  道の角を曲がる所で人とぶつかってしまった。 『おわっ』 『っ…』 なんとぶつかったのは女の子だった。焦り半分。嬉しさ半分。  セーラー服を着ていた。髪が長く、肌も白い。目も大きくて綺麗だ。顔にある少しのソバカスもまたかわいらしい。 『大丈夫?』 蜂は少女に手を差し出した。 『…はい』 そう言って少女は蜂が差し出した手を無視して1人で立ち上がった。  思ったより大きいな。158くらいか?蜂はじっと少女を見つめた。近付こうとした時、プリントを踏んでしまった。 『あっ!ごめん』 ぶつかった時にばらまかれたらしい。まったく気づかなかった。 『…ありがとうございます。』 『いや。ぶつかったの俺だし。ごめんね。』 『いえこちらこそ不注意で…ごめんなさい。』 『いいんだよ、女の子なんだから。』 少女は驚いた顔をすると、しゃがんで俺の顔を覗き込んだ。 『!?』 『綺麗な瞳してるんですね…』 『…?君もだよね』 なんか知らんけどラッキーだ!女の子とこんなに話せて! 『…血の臭いがする。』 『へ?』 『資料拾ってくれてありがとうございます。でわ、失礼します。』 『…あぁ。』 なんだあの子…。  立ち上がろうとした所、、地面に何か落ちていた。 『…これは』 写真だった。女の人と子供が写っていた。 『さっきの子にそっくりだな…。』  蜂は事務所についた。 『…ただいま』 『蜂!!』 『何?』 『依頼がなくなった』 『まじ?やったぁぁ!合コン行けんじゃん!蒼麻に連絡しよー♪』 『…死んだのよ』 『は?』 『あんたが殺すはずだった奴は自殺してた。』 『ふーん』 『…それでさっき情報屋にあったの。』 『うん』 『殺し屋には自殺屋っていうのがいるんだって』 『…自殺屋?』 『そいつがやったの』 『・・・』 『内村双助。あんたが殺すはずだった男。』 『自殺屋の情報は?』 桃は首を横に振った。そして鞄から紙を出した。 『情報屋の住所。あれはあんたに任せるから。』 『…獲物をほかの獣に殺(と)られるっていうのは…むかつくなぁ。』 そう呟いて、桃から紙を受け取り、蜂は事務所を後にした。
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