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速くも放課後。合コンに行けなくなり、不機嫌になりながら帰った。
道の角を曲がる所で人とぶつかってしまった。
『おわっ』
『っ…』
なんとぶつかったのは女の子だった。焦り半分。嬉しさ半分。
セーラー服を着ていた。髪が長く、肌も白い。目も大きくて綺麗だ。顔にある少しのソバカスもまたかわいらしい。
『大丈夫?』
蜂は少女に手を差し出した。
『…はい』
そう言って少女は蜂が差し出した手を無視して1人で立ち上がった。
思ったより大きいな。158くらいか?蜂はじっと少女を見つめた。近付こうとした時、プリントを踏んでしまった。
『あっ!ごめん』
ぶつかった時にばらまかれたらしい。まったく気づかなかった。
『…ありがとうございます。』
『いや。ぶつかったの俺だし。ごめんね。』
『いえこちらこそ不注意で…ごめんなさい。』
『いいんだよ、女の子なんだから。』
少女は驚いた顔をすると、しゃがんで俺の顔を覗き込んだ。
『!?』
『綺麗な瞳してるんですね…』
『…?君もだよね』
なんか知らんけどラッキーだ!女の子とこんなに話せて!
『…血の臭いがする。』
『へ?』
『資料拾ってくれてありがとうございます。でわ、失礼します。』
『…あぁ。』
なんだあの子…。
立ち上がろうとした所、、地面に何か落ちていた。
『…これは』
写真だった。女の人と子供が写っていた。
『さっきの子にそっくりだな…。』
蜂は事務所についた。
『…ただいま』
『蜂!!』
『何?』
『依頼がなくなった』
『まじ?やったぁぁ!合コン行けんじゃん!蒼麻に連絡しよー♪』
『…死んだのよ』
『は?』
『あんたが殺すはずだった奴は自殺してた。』
『ふーん』
『…それでさっき情報屋にあったの。』
『うん』
『殺し屋には自殺屋っていうのがいるんだって』
『…自殺屋?』
『そいつがやったの』
『・・・』
『内村双助。あんたが殺すはずだった男。』
『自殺屋の情報は?』
桃は首を横に振った。そして鞄から紙を出した。
『情報屋の住所。あれはあんたに任せるから。』
『…獲物をほかの獣に殺(と)られるっていうのは…むかつくなぁ。』
そう呟いて、桃から紙を受け取り、蜂は事務所を後にした。
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