蜂-ハチ-2

6/7
前へ
/215ページ
次へ
 女子菊乃学園…あの有名な女子高に? 『まぁ高1らしいで。』 『…年下かよ。なんか余計むかつく。』 『雨以外に好きな物はてるてる坊主や。』 『てるてる坊主…?』 『あぁ気持ちを晴らしてくれるから好きなんやって。ホラ首吊って死んだ人間っててるてる坊主みたいやん。』 『…そうだな。』 『それだけでも充分だった。ありがとう。』 『もうええの?つまらんなぁ!』 『俺も必要以上にお前に情報を与えるのはやめたいんでな。』 『…もっと情報あるんやでー?内村双助とは因果の鎖で繋がってたんよ』 『どうゆう事だ?』 『知りたいか?…なら・・』 ゴクリ 蜂が唾を飲む。  情報屋は手を頭の上に合わせて、 『桃ちゃんのスリーサイズ教えてーー!!!』 蜂は目を見開いた。 『…はぁ?』 『わいなぁ桃ちゃんLoveやねん!も~メールとかしたくてたまらん!』 『スリーサイズ知らないから…メアド教えるよ。』 『ほんまか?やったぁぁぁぁ!!!!!』 後で殺されるな。ご愁傷様です。俺。 『ゴホンッでわ話に戻りますが、自殺屋は昔自殺によって親を失ってます。』 『・・・』 なんか昔住んでた町で結構貧しい生活してて、近所からも評判悪かったんよ。あの家は万引きしてるだ、虐待してるだのいろんな噂たてられてね、外にも出にくくなってたんよ。でも自殺屋は学校には行かせてもらっていたんや。 そんなある日学校から帰って来たら母親のほうが首吊ってたんや。父親が殺したらしい。その時父親は言い訳として、『男にやれっていわれたんだ』って言ったらしで。 『その男が内村双助か?』『あぁ。』 内村はある組織をスパイしていて、信頼の証拠に母親のほうを殺してこいと言われてたらしい。自殺屋ん家は貧しかったからその組織から借金してたんや。 『なるほど』 『結局父親のほうも自殺した。自殺屋は幼いながらこれは父親が言ってた男が悪いと思い、その時から復讐心はあったんやろうな。』 『…そうか わかったありがとう。また来るよ。』 『はいよ。桃ちゃんのアドちゃんと送ってや』 『あぁ。じゃあな。』 『じゃあネ。蜂君。』 情報屋は手を振って蜂を見送った。
/215ページ

最初のコメントを投稿しよう!

25人が本棚に入れています
本棚に追加