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アタシは今の事務所の近くのゴミ捨て場に捨てられていた。
ボスに拾われた時は、両親に捨てられて、絶望していたが、不思議と悲しみはなかった。
『随分静かだねぇ●●ちゃん。』
『・・・』
『これからは好きなだけ騒ぐといいよ。君の両親はこっちでどうにかするけど、●●ちゃんはどうして欲しいかな…?』
『…あんなやつらどうでもいい……。』
『そうかい。』
ははははっとボスは笑った。
『じゃあ殺してもいいかな?』
『どうぞ』
ボスはニコッと笑うとアタシの頭を撫でた。それは両親にさえされなかった。小さいアタシが2番目にされたいと思っていた事だった。
そしてボスは手をさしだした。
『繋いで帰ろうか。』
『!』
恐る恐る手を出した。
『じゃあ行こうか』
ボスの手は温かかった。殺し屋のボスとは思えない温かさだった。
『誰かと手を繋ぎたかったのだろう?』
黙ってうたずいた。
ボスは笑ってまたアタシの頭を撫でた。
『君は…桃と呼ぼう。桃。両親の事をこれから会う少年に殺して欲しいと依頼しなさい。』
『…わかりました』
『いい子だ』
事務所に着くと無愛想な感じの少年がナイフを持っていた。
『彼は蜂だ。桃と同じ9歳だよ。さぁお願いして。』
『殺して欲しいのアタシの両親。』
蜂は答えない。
『報酬も渡すわ。それにアタシは…ボスと約束して、あなたのマネージメントもやるわ』
『…いらねぇよ』
『こら蜂!!私の命令でもあるんだぞ』
『はいはい連れてってよ。両親の所。』
『うん』
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