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彼女の名は琥珀(こはく)。
巳水妃をも超える爆乳の持ち主で、瞳の色は名前の通り琥珀色。
金色がかった長い白髪を四本に分けて結わえている。
顔立ちもふくよかな感じで、ぽややんとした眼差しの女性である。
彼女は妖の世界の狐族の頂点に立つ天狐である。
そして、間もなく上位の空狐へと成り上がる神に近い存在…なのであるが…
「どうしてこうも煩悩塗れなのじゃ、お主は?また行きずりの男の子を孕んだのじゃろ?」
「……えへへ~」
巳水妃の言葉に頬を染めて笑う琥珀。
「何がえへへ~、じゃ!お主が見境無く、男と交わって子供を孕むから、伏見や笠間や竹駒や最上が迷惑してるじゃろうが!」
「してないもん!伏見くん達はみんな笑いながら子供の面倒見てくれるもん!」
「その笑いが苦笑には見えぬのか?」
「大体さ~、とっかえひっかえってゆうけど~、わたしはいつでも本気で相手の男の事愛してるんだよ~?でもね、でもね、わたしが目覚めると、みんないなくなってるの~。貴女にはついていけないって書き置きしてってさ~」
頬を膨らます琥珀。
「お主にヤり殺されそうになるからじゃろうが…」
「だってだって~!向こうだけ満足するのズルいでしょ~?わたし、全然イってないのに~!」
「まあ、お主を満足させられる男なんてそうそう…」
言葉途中で巳水妃は考えた。
我の計画で一番の邪魔者はこいつじゃないだろうか?
こいつが彼の者の存在を知ったなら、絶対離そうとしないだろう。
て言うか、伏見に後事を託して嫁ぐとか言いかねない。
…殺るか?
「み~ず~き~ちゃ~ん?何考えてるの~?」
半眼で巳水妃を睨む琥珀。
我が殺気を感じたか?
こいつ、スペックだけは我を凌駕するからのう。
不意打ちしなければとても勝てる相手ではないし…
「巳水妃ちゃんが変な事考えてるなら~」
「な、何じゃ?」
「裸で亀甲縛りにして、龍巳くんに献上するよ~?」
龍巳とは龍神の名前である。
「済まぬ。我が悪かった。これ、この通り」
即座に土下座する巳水妃であった。
よほど龍神を忌み嫌っているらしい。
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